表示サイズ
SLT(Selective Laser Trabeculoplasty:選択的レーザー線維柱帯形成術)は、緑内障や高眼圧症に対して眼圧を下げることを目的としたレーザー治療です。
眼内の房水の排出に関わる「線維柱帯」にレーザーを照射し、房水の流出を促すことで眼圧を低下させます。
切開を伴わない低侵襲な治療で、外来で行うことができます。欧米では点眼薬に代わる第一選択治療としても広く行われており、当院でも緑内障治療の選択肢のひとつとしてご案内しています。

SLTとはどのような治療ですか 緑内障は、視神経が障害されて視野が失われていく病気であり、眼圧(眼球の内圧)の上昇が主な原因のひとつとされています。SLT(Selective Laser Trabeculoplasty:選択的レーザー線維柱帯形成術)は、眼内の「線維柱帯」と呼ばれる房水の排出に関わる組織に対して、特定の波長のレーザーを照射することで房水の流出を促し、眼圧を低下させる治療法です。
周囲組織へのダメージが少ないことが特徴です。
「選択的」という名称のとおり、色素を持つ特定の細胞のみにレーザーが作用するため、周囲の組織へのダメージが非常に少ないことが最大の特徴です。
SLTの流れ 治療は外来にて行います。前後の処置を含めた所要時間は30〜60分程度です。
※ 必要があれば、瞳孔を縮める目薬を点眼します。当日は車、バイク、自転車の運転は出来なくなる可能性があります。
SLTのメリット 点眼薬だけに頼らず眼圧コントロールを目指せるため、毎日の点眼の負担軽減や、点し忘れによる眼圧コントロール不良のリスク低減が期待できます。
毎日の点眼薬の本数を減らす、または不要にできる可能性があります。点し忘れによる眼圧コントロール不良のリスクも低減できます。
効果が薄れた場合、同じ目に再度レーザー治療を行うことができます。組織へのダメージが少ないため、再治療を検討できる場合があります。
切開を伴わず、周囲組織へのダメージが少ない治療です。点眼薬のような全身への副作用がない点も特徴です。
入院は不要で、外来にて短時間で終了します。日常生活への影響が少なく、翌日より通常の生活を送っていただけます。
欧米では点眼薬開始前の第一選択肢として推奨されることも多く、スタンダードな治療法です。長年にわたる臨床実績があります。
点眼薬を長期間使用し続ける場合と比較して、治療内容によっては費用面での負担軽減につながる可能性があります。
他の緑内障治療との比較 緑内障治療には点眼薬、レーザー治療、手術など複数の選択肢があります。病状や眼圧、視野の状態、生活背景に合わせて治療方針を検討します。
| 治療法 | 侵襲性 | 効果の発現 | 再施行 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|---|---|
| SLT | 低い | 数週間後 | 可能 | 外来で完結。点眼削減が期待できます。 |
| 点眼薬 | なし | 早い | 毎日継続 | 長期継続、点し忘れ、副作用に注意が必要です。 |
| 外科的手術 | 高い | 早い | 困難 | 重症例で選択。重度の副作用の恐れあり |
※ 効果には個人差があります。最適な治療法は病態・眼圧・全身状態により異なります。
こんな方はご相談ください
適応とならない場合もあります。
閉塞隅角緑内障、一部の続発緑内障、活動性の眼内炎症がある場合などは適応外となることがあります。また、視野欠損が高度に進行している場合は、より積極的な外科的治療が優先されることがあります。適応については診察にてご説明いたします。
治療後の経過と注意事項 レーザー照射後、数日〜数週間で眼圧低下効果が現れることが多いですが、効果の発現には個人差があります。治療直後は一時的な眼圧上昇、軽い充血や異物感が生じることがありますが、多くは数日以内に落ち着きます。
治療後は定期的な眼圧・視野・眼底の検査を継続し、効果の持続状況を確認することが重要です。効果が不十分であったり、経過観察の中で追加治療が必要と判断された場合は、患者さまと医師の相談の上で治療方法を更新していきます。
緑内障治療の流れ